年内をもって活動を休止する人気グループ・嵐(大野智、櫻井翔、二宮和也、相葉雅紀、松本潤)による『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』の無観客ライブが12月31日の午後8時からオンライン上で生配信された。1999年のデビューから21年の歴史にひとつの区切りをつけた。約3時間強におよぶ本編最後のあいさつでは、相葉、松本が感極まり、ラストには櫻井の目にも涙が。無観客配信を生かした最先端のパフォーマンスと、彼ららしさの詰まったあたたかいライブを画面の向こうのファンに届けた。
オープニングでは、巨大ミラーボールの中から5人が登場。きらめく光に包まれた会場には無観客であったが、「サクラ咲ケ」「言葉より大切なもの」「GUTS!」などライブ定番曲ではリモート画面で応援するファンの姿や歌声がモニター越しに流れ、心の距離は感じさせない演出に。またTravis JapanやHiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍、IMPACTors、Jr.SPなどのジャニーズJr.を従えた圧巻のステージでもしっかりと先輩としての背中をみせた。
あいさつでは、松本は「今から俺ら5人で最高のショーをみせてやるよ!」と宣言から始まり、二宮は「いらっしゃいませ! 見えてますか! 聞こえてますか! つながってますか! 楽しんでいこうぜ!」と歓迎。相葉も「盛り上がってんの~? どうなの? もっとちょ~だい!」とおねだりし、大野も「は~い! は~い! は~い! いつものいけるかい!?」と定番のあいさつ。櫻井は「上のほうでもなく、下の方でもなく画面の向こう側、調子はどうなんだ!」と“いつも通り”に煽りまくった。
大野が振り付けを担当したダンス曲「いつか秒針のあう頃」や「つなぐ」では、鏡張り張りの部屋に移動するなど空間をフル活用。「One Love」ではLEDの桜が舞い、「Love Rainbow」では天井にまで巨大うちわが浮かび上がる。最先端の技術を活かした迫力のパフォーマンスは、息つく暇もないほど。かと思えば、MCではステージの上で着替え順番を決めるためにジャンケンしたり、大野と相葉が相撲を取り始めたりと“最後”を感じさせない、仲良しぶりで和ませた。
櫻井の「ウィル・ビーバック!」の声とともに、NHK『紅白歌合戦』出場のため、一時中断を挟んで後半へ。「活動休止前最後のステージ」と銘打たれた“最終章”ではブルーノ・マーズ提供の初全編英語詞によるデジタルシングル「Whenever You Call」から再開。ヘリポートに見立てたステージで歌唱した「PIKA★★NCHI DOUBLE」や「君のうた」ではこれまでの5人の写真が映し出され涙を誘う演出に。最後は笑顔あふれるセルフィーで締めくくられた。
そして松本の「ラストスパートいくぞ! 今から俺たちがみんなにラブソングを贈ります。俺らの名前はなんだ!?」に呼応するように、「A・RA・SHI」では事前に募ったファンの声がけとのシンクロによってまるでファンがその場にいるような一体感が生まれる。ラストスパートの「感謝カンゲキ雨嵐」の歌唱中にはファンからのサプライズも。ファンから寄せられた「涙が止まらない!」「嵐は大切な宝物」「いつまでも待ってるよ」「大好きです」など“感謝”の言葉が会場を埋め尽くし、5人は幸せそうな笑顔でそれを眺め続けていた。
■スタッフ、ファン、メンバーへの想いを胸に「いつかこの夢の続きができたら」
最後には一人ひとりが今の想いを語る。櫻井は「同じ夢を描き同じ夢を追い求め、ときに夢破れ、傷つき、ボロボロに…なんて言ったらかっこいんですけどそれはそれで楽しくやっていたといいますか、いろいろあったんですけどこの5人がいればなんとかなるかな、すごく楽しかった」と軽やかに笑う。これからも「5人では集まる」としつつ、「それは嵐に似たなにか。嵐ではないとは言わないけど、僕たちは誰かに喜んでもらうために、議論したり、準備をしたり笑顔を届けることできたときに初めて嵐といえるからです。僕たちがいつかまた『嵐です』と胸を張って言えるときまで。21年間ありがとうございました」とメッセージを送った。
リーダーの大野はこれまでの日々を振り返りつつ「僕は、このメンバー4人と20年以上一緒にいますが一番思うことは、感謝していることは人ととしての人間性。気配り、気遣い、感謝の気持ち。人によくされたら『ありがとう』を必ずいう。人のことを一番に考えて行動する。簡単なようで、なかなかできることではないと思っています。人はすぐ変わります。でもなにも変わらずに、それらを続けてきた4人がいたから、僕はきょうまでやってこれたんだと心から思っています。本当にありがとう」と尊敬を口に。そして「僕は明日から、自分のことを考えて自分の時間を大切に生きてみようと思っています。またいつか、人のためになれるように」とし、「では、またね、ありがとう」とほほえんだ。
二宮は天井のメッセージを読み上げながら「『ありがとう』を言わなければいけないのはこちらのほう」とつぶやいた。「十分幸せだし、本当に感謝してるんだけど、欲を言わせてもらうと、わがままを言っていいならまだまだツッコミたかったし、もっともっといじりたかった。僕らの言葉は、21年間で走ってきたなかですべて4人に向けた言葉だし、4人が生んでくれた言葉。きのうの夜はそれを取りあげられてしまう気がして浸ったりして不思議な時間でした。欲深い人間でした」と苦笑しながら胸の内を明かした。
これまで何度かメンバーに“手紙”を書いてきたという相葉は「一番最初の手紙には『トップになろうね』って書きました。メンバーはなにがトップかわからないよねって、いつもそんな話をしていました。確かに僕らのいるこの世界のトップは僕にはわかりません。でも、きょう、わかったのは、僕を除いた4人のメンバーは人間としてトップなんだな、と…そんな…トップの4人と、21年やってこれたのは僕の宝物です。心から嵐でよかったです。そしてあなたたちが嵐のファンで本当によかった」と感極まりながら噛み締めた。
そして最後を飾ったのは松本。「直接目の前にはいないけど…」と瞳を潤ませ「みんなの思い伝わってます。活動休止前最後の日にこんなライブをやらせてもらって最高だなと感謝しています。まずジャニーさん、13のときにジャニーズに入れてくれてありがとう。ジュリーさん、やんちゃな5人を諦めずに育ててくれてありがとう。すべてのスタッフのみんな、嵐に夢を乗っけてくれてありがとう」と、手で顔を覆うと背を向けた。
「僕にとっても嵐は夢でした。信じられないほどの夢の数々を一緒に見れて幸せだなと思います」といい、「いつかこの夢の続きができたらいいな、と思います。わかんないけど…それまでみなさんお元気で。僕らはひとりずつになるかもしれないけど精一杯やっていきます」と決意を胸に、最後は頭を深々と下げた。
ファンの映像とともに「The Music Never Ends」「Love so sweet」を万感の思いで歌唱。そして、肩を組んで、横一列になるとステージ中央までゆっくりと歩みを進める。ファンに向け何度も「ありがとう」を呼びかけ、手を振る。しっかりと再び手をつなぎ、上に掲げ前を見据えた。5人が光のなかに包まれれると大きな虹の虹が架けられ、ライブは終了。エンドロールは、ファンからのメッセージ流れ続け、惜別と感謝の言葉であふれ、日付を超える1分前にメンバーのサインメッセージに切り替わり本当のラストを迎えた。
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January 01, 2021 at 02:00AM
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