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メンバーが自分の知っていることだけで意見を言い合っても議論は進まない。客観的事実に基づいた結論を導くために、必要な情報を事前予測して集めておく。オンラインには対面にはない課題がある一方、オンラインならではのメリットが生かせる。
今回は、ファシリテーションに必要な5つのスキルのうち、最後の2つに当たる「情報収集」と「オンライン上のテクニック」について解説する。
意見とはメンバー個人の主観である
まずは「情報収集」についてだ。
ファシリテーションというと、その場を仕切るファシリテーターが適切な問いかけや雰囲気作りによって、参加者の思考を刺激し、活発にアイデアが飛び交う場面を理想的なものとして捉えがちだ。それ自体、積極的な議論の場として決して悪いものではないが、一方で致命的なリスクが潜んでいる可能性もある。
自分がメンバーとして議論に参加している状況を想像してほしい。会議への招集の連絡がメールで入り、テーマやゴールなどが事前に知らされる。当日を迎え、議論の場に参加すると、こなれたファシリテーターのリードに身を任せて、自分の意見を述べている。
ここで一度立ち止まってほしい。会社の重要な決定事項に直接関与するこの議論による結論は、その場にたまたま居合わせたメンバーが個人の意見を単に積み上げることで決めてしまってよいのだろうか。しかも、その「意見」とは、事前にメンバーそれぞれ調査し、分析を十分に行ったうえでの意見ではない。あくまで“その場で思いついた”もしくは“個人的な経験と知識に基づいた”意見でしかない。つまり、その意見とはそのメンバー個人の主観でしかないのだ。
それぞれのメンバーが自分の知っていることだけで意見を言い合っても議論は先に進まない。ここでよくある多数決などで決めたところで、民主的に満足はできるがそこには一切の合理性はない。
もう少し厳しいことを言えば、たとえ主観であっても自分の意見をしっかりした背景や根拠と一緒にその場で述べられるのは、そのトピックに関して日常的に問題意識を持っていたり考えたりしている一部のメンバーに限られるだろう。
それ以外の圧倒的多数は、意見というよりも感想に近い発言内容なのではないか。ファシリテーターに指名され、何か言わなければならない状況下では、その場で即興で思いついた感想がどうしても多くなる。
皆の意見や感想だけで、「皆から活発な意見が出た」「皆の言いたいことをきれいにまとめられた」と捉え、良い議論ができたとするのはとても危険である。しかし、実際にはそうしたケースはとても多い。
November 04, 2021 at 05:00AM
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メンバーの主観を集めない 客観的事実から結論を導く - ITpro
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