【独自】WHO国際調査メンバー語る、武漢・海鮮市場「感染広がり得る」
「あの環境では、明らかに感染が広がり得るでしょう」(WHO 国際チーム ドワイヤー氏)
オーストラリア・シドニー大学のウイルス学の専門家・ドワイヤー教授。WHOの調査チームの一員として、新型コロナの発生源を調べるため武漢に入りました。まず先月31日に訪れたのは、当初、多くの感染者が出た海鮮市場。ドワイヤー氏は、感染が広がる条件がそろっていると感じました。
「市場は1年ほど閉まっていますが、古く閉じられた空間に多くの店が並び、明らかに混雑していたことが今でも伝わってきます。見れば簡単に感染が拡大したり、人にうつったりするだろうと分かるでしょう」(WHO 国際チーム ドワイヤー氏)
海鮮市場に加え、当時、アメリカのトランプ政権が新型コロナの発生源だと主張した武漢の研究所については、どう見たのでしょうか?
「現場や残された記録の中から、研究所からウイルスが漏れたと言えるものはありませんでした。今回の訪問で我々が見たものでは、そうした証拠はありません」(WHO 国際チーム ドワイヤー氏)
ドワイヤー氏は、研究所で新型コロナウイルスが漏れ出たことを示唆する証拠はなかったとしています。
そして武漢への出発前に話を聞いた時、ドワイヤー氏が希望していたのが、新型コロナがコウモリから直接、人に感染したのか、別の動物を介して人に感染したのかを調査することでした。
「引き続きコウモリを調査することは重要です。そのためにはコウモリが集まる場所、洞窟などを調べなければなりません」(WHO 国際チーム ドワイヤー氏)
感染経路については、今後の調査対象として残されたままのようです。この後、他のメンバーが持つ情報も合わせて調査結果をまとめる作業が続きます。
一方、今回の滞在では、新型コロナの患者や遺族にも会いました。個人的な話は避けながらも、その時の様子をこう振り返ります。
「衝撃は特別に大きかったと思います。最初は何が起きているのか分からなかったのですから」(WHO 国際チーム ドワイヤー氏)
今後の予定は、ホテル内での面会が中心で、WHOの調査チームは、来週、帰国するとしています。
February 06, 2021 at 04:26PM
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